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ゲームのあれこれ。
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さてさて、これまで色んなゲームの話をしてきたが、

やりこんだやりこんだとは言うものの、

実は当時のおれはそんなにやりこんでいる自覚はなかった。

そんなおれが、これはやりこんだ!

といえるゲームがある。

それは、パワプロくんポケットである。

ゲームボーイに展開されたコナミの実況パワフルプロ野球である。

このパワプロくん、コナミのもうひとつのお家芸であるときめきメモリアル的な要素を含みつつ、

かなり変則的なストーリーを展開してゆく。

まず、そのストーリーが面白い。

その地区でも最悪の高校と呼ばれるその名も極亜久高校に転向してきた主人公は、

野球部に入るのだが、野球部の先輩も極悪人だらけであり、

まあなんか色々あって先輩達がひとり残らず病院送りになり、

廃部寸前の状態から、部員を集める部員集めが始まる。

正直言って一年目は野球なんぞほとんど関係ない、

ストーリーを進める上でなんだかんだで仲間になる普通っぽい六人と手抜きっぽい三人。

そしてミニゲームをクリアして初めて仲間になる強力な助っ人が四人いる。

それぞれ空手部、テニス部、陸上部、学年トップの優等生であり、

仲間にするとかなり頼もしい上、ストリート上でも様々なメリットがある。

そんな仲間たちとすったもんだを経て甲子園優勝を目指すわけである。

ライバル高校は曲者揃いであり、パワプロくんシリーズの正統なメイン高校パワフル高校や、

極亜久高校と対極に位置する正義学園。

デブでちぢれ毛のエース正金率いる日本語の通じない謎の集団、身砕流北(みさいるきた)高校。

謎の野球仮面、野球マスクと外国人選手ばかりの最強チーム。

などなど。

純粋に勝ち上がる王道の楽しみもあり、道をそれた楽しみもある。

プロペラ団という謎の組織が絡んできたり、

他チームに対して妨害工作ができたりしてゲームボーイらしからぬボリュームがある。

そしてコナミによる恋愛イベントである。幼なじみに野球部マネージャー、コンビニ店員やら野球部の裏マネージャー、友達の姉などがいる。

この要素がうまく絡みあってマルチエンディングになっており、付き合っている彼女やチーム、進んだ大会によってエンディングが変わる。

そしてそのエンディングも色色と分岐がある。

さらにやり直し防止のため、セーブせずに五回電源を切ると、なんとセーブが消える!

そこがこのパワプロくんの秀逸なところである。

なにか大きな失敗をしても身悶えしながら続けるしかないのだ。

ちなみに余談だがおれはパワプロくんをやって初めて甲子園とは優勝したら行けるだけの場所ではなく、そこからまだ大会が続くのだということを知った。

それはさておきシナリオである。

特に思い出深いのはメインヒロインっぽい幼なじみで病弱というベタなヒロインあすかとのストーリー。

彼女と付き合っている状態で甲子園決勝までいくと、

決勝で彼女が倒れ、彼女のために甲子園決勝をふいにして病院に行くか、彼女の想いを汲んで決勝に出るかを選ばされる。

そのときのおれのチームは恐らく優勝できるチームだった。

おれは決勝に出ることを選んだ。

彼女のためにも、甲子園で優勝することを誓いおれは決勝に進んだのだった。

そして激闘の末に甲子園で優勝を果たした。

とても嬉しかったのを覚えている。

主人公は三年間の回想にはいり、様々な仲間のその後が語られて行く、

そして最後に彼女のことが語られる。

彼女は主人公が決勝に出ることを選んだ日、死んでいた。

おれは正しかったのかなあ。

そう自問する主人公。

そして終わるゲーム。

重くのしかかってくる絶望。

心のどこかで甲子園を優勝できればハッピーエンドが待っていると思っていたおれは、恐ろしい目にあった。

ゲームでこんな絶望を味あわされるとは思いもしなかった。

パワプロくんの恐ろしいところは、この、彼女が死んじゃいましたエンドが

平然と仕込まれているところである。

この他にも彼女が謎の組織プロペラ団に消されたり、

飛行機事故で死んだりする。

完全なるトラウマを植えつけられたおれは、二周目では優勝できるチームだったにもかかわらず、

決勝より彼女を選び、甲子園そっちのけで彼女の命を取った。

野球ゲームのくせに野球より大事なものをもってくるパワプロくんは恐るべきゲームである。

そこからトラウマ打開の旅が始まった。

強く、そして彼女も大切にする。

恐らくだがパワプロくんには数値化されていないところで彼女との友好度があり、

それが一定以外のままだと彼女は決勝で勝っても負けても死ぬのである。

おれは彼女と野球の両方を得るため、必死でチームを編成した。

そしてついに、おれは甲子園で優勝し彼女とも幸せに暮らすというエンディングを勝ち取った。

いやマジで。

トラウマを乗り越える長い旅だった。

そしておれのやりこみロードは続く。

パワプロくんはやりこんでいくと、個の力より集団の力のほうが強いことがわかってくる。

自分のステータスだけでなく総合力が大事なのである。

そして慣れてくると、チームを自在に強くできるようになる。

やがておれのやりこみの集大成がやってくる。

時目指したのは野球に対するアンチテーゼ。

主人公をまったく育てず、スタメンにすら起用せずに甲子園で優勝して主人公をドラフト一位でカープに入団させることだった。

そのためには主人公以外を強化しなくてはならない。

おれはチームを強くするためだけに奔走した。

チームは着々と強くなりそして甲子園。

一回戦、準決勝と相手チームに30点以上の大差をつけ、

その時はやってきた。

決勝。

相手チームは最強の面々。

パワプロくんというゲームは野球ゲームだが、実際に9回もやらされるとさすがに飽きるので、

最後の二回ぐらいをプレイできるようになっている。

甲子園決勝は七回オモテからで、すでに三点差をつけられた厳しい状態から始まる。

普通なら最強のチーム相手に必死で三点を取り返す緊張感ある戦いになるのだが、

やりこみの末に生まれた我がチームはすべてが規格外だった。

打席に並ぶ全バッターがホームランを打てるパワータイプ。

打者一巡で全員ホームランも当たり前。

それは子供と大人のような試合だった。

相手チームのエースはホームランを打たれまくってヘロヘロになり降板。

二人目も降板させ、交代のいない最後のひとりはボコボコだった。

グロッキーになったピッチャーは打ち頃の球ばかり放るので得点はさらにはいる。

そして終わってみれば3対99(カウンターストップ)で試合終了。

主人公はそのまま晴れてドラフト一位指名でカープに入団していった。

野球の才能はなくても、監督の才能はある(たぶん)

ただこれで終わらないのがパワプロくんである。

いろんなポジションを育成できるし、ピッチャーなんかもかなり面白い。

ステータスオールAは当たり前である。

パワーのみに特化させたホームランバッターや、盗塁専用選手。

生み出す楽しみも無限大である。

とにかく野球そっちのけの部分に力が入りまくっている。

我が青春のゴールデンカートリッジは完全にこいつのもんである。

どんだけやりこんだかもはや計測不能である。

いろんなもんがあの小さなカートリッジには詰まっているのである。
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